飛鳥くんはクールなんかじゃない
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「おかえり」
「っ……た、ただいま」
家に戻って自分の部屋のドアを開けると、ベッドの上に腰かける飛鳥くんがいた。
びっ……くりしたー。
飛鳥くんが私の部屋で待ってるの、忘れてた。
「なに」
「あっ、いや」
「もしかして忘れてたわけ?」
ギクリとしたところで、もう遅い。
さすがは飛鳥くん。私のことはなんでもお見通しだ。
ベッドに座る飛鳥くんの正面にまわって、ぎゅっと抱きしめる。いつかに本人から教わった、飛鳥くんのご機嫌とり。
「……なにこれ。こんなんで機嫌がよくなるとでも?」
「えっ、だって」
……が、前までは効果絶大だったはずのそれが、なぜか全く効かなかった。