飛鳥くんはクールなんかじゃない
年単位って……。
「どういうこと?」
「……」
「飛鳥くんってば」
詰め寄ったところで、飛鳥くんはお得意のだんまりを決め込んで答えようとはしない。
「飛鳥くん、前から私のこと、その……好きだったの……?」
なんだか自分で言うのが恥ずかしい。
それでも、飛鳥くんの耳が赤くなったのを見て「あ」と思った。
「……調子に乗らないこと」
「えへへ、もう遅いかも」
ふてくされている様子の飛鳥くんだけれど、私はもう口角が上がってしまってしかたない。
「言っとくけど」と言葉を続けた飛鳥くんは、パシッと私の手首を掴んだ。