飛鳥くんはクールなんかじゃない
「飛鳥くん、私のこと大好きじゃん」
「だから調子のりすぎ」
「こんなの調子にのらずにいられないもん」
にやにやが止まらないであろう私に、飛鳥くんはコツンと私の頭を小突く。
幸せだ。こんな幸せなことがあっていいんだろうか。
「飛鳥くん」
「今度はなに」
「だーいすき」
「……っ、不意打ちかよ」
嬉しさあまって、飛鳥くんの背中に手をまわす。
照れた飛鳥くんの声と同時に、ドキドキと心臓の音も聞こえた。
好き。大好きだよ、飛鳥くん。
ギューっと力強く抱きしめれば、飛鳥くんも私の背中に手をまわしてくれる。
「……ったく、小悪魔だな」
なにか飛鳥くんが小さくつぶやいた気がしたけど、その言葉はうまく聞き取れなかった。