飛鳥くんはクールなんかじゃない


そんな彼らのそばに私と凛ちゃんがいることが、きっと余計に注目を集めてるんだと思う。


凛ちゃんを見ると、私と同じことを思っていたみたいで、眉を下げて笑った。




「気にしなくていいよ、2人とも」


それにいち早く気づいたらしい菊川くんが、私と凛ちゃんに優しい口調でそう言ってくれた。



「ああやってコソコソ言うしかできない子たちのことなんか気にする必要ないよ。もし何かしてきたとしても、飛鳥と海が黙ってないから」


「それに僕もね」だなんて言ってニコリと笑う菊川くんは、やっぱり頼れる人。



「一成。ちゃっかり凛からの好感度上げんなよ」

「同感。花帆から離れろ」

「……うーわ、お前ら揃ってめんどくさすぎ」



ムスッとした堀田くんが凛ちゃんを引き寄せたと同時に、私も飛鳥くんに手を引かれた。そしてそれに呆れ顔を浮かべる菊川くん。


ギャーギャー揉めながらもなんだかんだ言って楽しそうな3人の会話に、私も凛ちゃんも笑顔がこぼれた。


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