飛鳥くんはクールなんかじゃない
それは一華ちゃんも同じなようで、目を合わせて一緒に笑う。
そのあと、誰にも気づかれないように一瞬飛鳥くんへと目線を向けた一華ちゃんは、すぐに私の目に視線を合わせてパチリとウインクをした。
可愛い子のウインクなんて、国宝ものだと思う。本当に一華ちゃんは可愛い。
そしてそのウインクの意味にも、しっかりと彼女の気持ちが伝わって嬉しかった。
「今日はみなさん、お茶会ですか?」
「わっ、一華ちゃんが言うとなんか一段とオシャレに感じるね」
「えぇ、そうですか?」
いつのまにか一華ちゃんも同じテーブルの席に座って、みんなで仲良くおしゃべり。
「花帆、それ半分ちょうだい」
「ん、これ?はい」
「さんきゅ」
途中で飛鳥くんが私の紅茶のシフォンケーキを欲しがるから半分あげると、なぜか他のみんなからにこやかな視線を向けられた。