飛鳥くんはクールなんかじゃない


毎年家族で通った道。


それなのに、飛鳥くんと2人ってだけでこんなにも新鮮に感じる。



いつも花火を見ていた公園を通り過ぎると、そこはたくさんの人で賑わっていた。



「わぁ〜っ、こんな感じなんだね」

「離れんなよ」

「うん」


ギュッと手に力を込めてくれた飛鳥くん。


手を繋いでいないと、あっという間にはぐれてしまいそうだ。


お母さんたちが小さな私と飛鳥くんをここに連れてこなかった理由がいまならわかる。



会場では、夏祭りと同じような屋台などの出店が並んでいた。


焼きそば、りんご飴、ヨーヨー釣り。どれも美味しそうで楽しそうで、なんだかテンションが上がる。


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