飛鳥くんはクールなんかじゃない
不意に、隣からくすりと笑う声が聞こえた。
その声に飛鳥くんへと顔を向けると、ドキンと心臓が音を立てる。
「な、なに……?」
「ん?はしゃいでるなぁと思って」
そう言ってクスクス笑う飛鳥くんの目が、あまりにも優しくて。
……そんな、愛おしいものを見るような目で見られたら。
「ずるい……」
私も負けないくらいの愛おしさが込み上げてきて、胸がキュンと締めつけられた。
どうしよう、好きが溢れて止まらないよ。
「ほら、なにから食いたいの?」
優しく手を引いてくれる飛鳥くんに、私は一生敵わないんだろう。
「うーんと、まずはりんご飴かな」
「ん。行こ」
少し先にあるりんご飴の屋台を見つけた私たちはそのまま一緒に歩き出した。