飛鳥くんはクールなんかじゃない
すごい。なんだかとっても不思議。
「ん?」
私の様子に気がついたのか、飛鳥くんが私の顔を覗き込んできて思わずふふっと笑った。
「飛鳥くんと手を繋いで、この花火大会に一緒に来られるなんて夢みたいだなぁって」
「……またそうやって可愛いこと言う」
「か、かわ……っ」
「あーもう、すぐ照れるのやめろ」
ボッと顔が熱くなる私に、呆れたように飛鳥くんは笑う。
だ、だって……、慣れるなんて無理だよ。可愛い……とか、そんなこと言われたら誰でも照れちゃうのは仕方ないと思う。
「いままでだって思ってた。口にはしてこなかったけど、これからはちゃんと言うから」
だからいちいち照れるな、と。
そう言った飛鳥くんに私がやっぱり照れたのは言うまでもない。