飛鳥くんはクールなんかじゃない
なんだ、この人。
「あんなお子様より、私の方が渡くんにお似合いだと思うけど?」
いちいち癪にさわる言い方をされて、もう相手にするのすらめんどくさくなってきた。
こんな人に花帆のことはわからない。わかってたまるか。
「俺が、あいつじゃないと無理です。もういいですか」
こんなこと、長々と続けてられるか。
どんなに言われようと、花帆以外という選択肢は俺にはないから。
「これ以上粘るなら、あなたじゃ無理な理由こと細かに説明しますけど?わりと本気で朝までかかりますが」
それでもまだ粘ろうとするその人にそう言うと、彼女はフンと怒ったように資料室を出ていった。
「……くだらない」
途端に疲れてしまって、ふぅと息をはく。
あぁ、やばい。無性に花帆に会いたい。