飛鳥くんはクールなんかじゃない
飛鳥くんの名前
結局、凛ちゃんと2人で帰る予定だったのが、まさかの予定変更。
掘田くんの提案で、私たち5人はカフェに寄り道することになった。メンバーはもちろん、掘田くんと菊川くんと飛鳥くん、そして私と凛ちゃんの5人。
「さっすがモテ男子。オシャレなところ知ってるんだね」
「へへん。まぁね」
やってきたのは、学校の最寄駅の裏通り。
あまり人通りが多くない道に、そのカフェはひっそりとたたずむように建っていた。
ぱっと見は木造の一軒家だけれど、よくよく見ると看板には《菊café》と書いてある。
外見だけでも素敵なのに、中に入ると壁にはたくさん本が並んでいて、シックなその空間はとっても心地よかった。
「いらっしゃ……あら、おかえりなさい。一成」
「うん、ただいま」
店内の奥から、とても綺麗な女の人が出てきた。そしてその人は、なんだか菊川くんと雰囲気がよく似ている。