飛鳥くんはクールなんかじゃない
「告白現場に遭遇するなんて、あたし初めてよ」
「私もだよ……」
そう。窓の向こうでは、ただいま告白真っ只中。そして相手は、まさかの飛鳥くん。
この様子からして、どうやら飛鳥くんは女の子をフッたらしかった。
女の子が走り去ったあとで、飛鳥くんもだるそうに帰って行く。
「さっすが渡くん。モテるね〜」
「人気なのは知ってたけど、まさかテスト3日前に告白されるほどとは……。あの女の子、テスト大丈夫かなぁ」
「……あんたの心配はそっちか」
え?と聞き返すと、凛ちゃんはなんでもないよと言った。
それにしても飛鳥くん、あんな言い方しなくてもいいのにね。仮にも自分を好きになってくれた子なんだから。