飛鳥くんはクールなんかじゃない
それがどうだ。
高校で出来た新しい友達2人がこれまた整った容姿をしていたこともあって、今や彼は学校内で有名人。
そんな有名人といつものように話してるだけで、私は女の子たちから怖い視線を向けられるようになった。
だから極力学校では、飛鳥くんを含め3人には会わないようにしている。
女の子たちが怖いっていうよりかは、すこぶる行動しづらいのが困るから。
「あ、おかえり〜。……って、あれ?お昼は?」
D組とかかれた自分の教室に戻ると、私の席に座っていた友達の華原凛ちゃんが、何も持っていない私を見て首を傾げた。
「……買えませんでした」
「え、なんで?」
私が買えなかったことに最初は驚いたものの、事情を説明すると凛ちゃんはクスクスと笑い始める。