飛鳥くんはクールなんかじゃない
「なんだよ」
あぁ、もう。ただの幼なじみなのに、なんで私、こんなことが気になるんだろう。
飛鳥くん、そんなに怖い顔しないで。約束、破ってごめんね。
うまく言いたいことを言えなくて、私は思い切って飛鳥くんの胸に飛び込んだ。
「花帆……?」
「……ご機嫌、なおして」
「……ッ、は?」
困惑する飛鳥くんの声が聞こえる中、私は彼の背中に手を回し、ギュッと力を込める。
震えそうになる手を、必死に抑えた。
「ごめんね、約束破って。……でも、どうしても今日飛鳥くんに確かめたいことがあって」
「……確かめたいこと?」
顔が見えないのをいいことに、少しずつ頭で整理した言葉たちを口に出していく。