飛鳥くんはクールなんかじゃない



「飛鳥くん、人気者だから」

「そんなことないけど。……まぁ、でも」



背中に回っていた腕が、パッと離される。




「きゃ……っ!」


かと思ったら次の瞬間、私はベッドの上にいた。



目の前には、飛鳥くんの綺麗な顔。


……もう怒って……ない?




「それで花帆が俺のことで一喜一憂してくれんなら、好都合だ」

「あすか……くん?」


口角を上げた飛鳥くんは、優しく私の名前を呼んだ。そして、飛鳥くんの手が私の頬に触れる。



「……なぁ、俺との約束破ったことの意味、わかってる?」

「え……?」



< 89 / 271 >

この作品をシェア

pagetop