飛鳥くんはクールなんかじゃない
自分でもなにが起きてるのかわからなくて、動きたくても金縛りにあったみたいに動けなかった。
もしかして……これって……。
思わずギュッと目をつむる。
けれど、いつまで経ってもなにも起こらなくて。
「バーカ」
そっと目を開けると同時に、飛鳥くんに頬をムニッとつままれた。
「……はひふんほよ」
「これでわかったろ?もう絶対、男の部屋には入らないこと」
「……」
「返事は?」
「い、いひゃい、いひゃい……っ!わはりまひは!」
さらに反対の頬までつままれて、おかげで私の頬はヒリヒリ。
観念して謝ると、飛鳥くんは何も言わずに手を離してくれて、私の頭を撫でた。