飛鳥くんはクールなんかじゃない
「飛鳥。過保護が過ぎるぞ」
そんな私たちの様子を見てか、菊川くんが声をかけて来た。
例によって、いつのまにかチョコレート色のエプロンを身にまとって。
「どーせ、さっき佐藤さんが海の手を掴んだのが気に食わなかったんだろ」
「……」
「えっ、もしかして俺が原因!?」
無言の飛鳥くんと、驚いて目を丸くする掘田くん。
それを聞いた私も私で、目を丸くしてしまった。
……え、それが理由だったの、飛鳥くん。
つまり拗ねてたって……ことだよね。