願い婚~幸せであるように~
仕事の時間だけは仕事に集中するようにしていたが、少し気を緩めると幸樹さんの優しい顔が浮かんだ。

今日のプレゼンは幸樹さんが見てるから、絶対失敗しないようにと気合いが入っていた。トラブルに気持ちは焦ったけど、幸樹さんの『大丈夫』に勇気をもらった。

今私の心の中は幸樹さんでいっぱいだ。好きな気持ちがどんどん増えていく。

深く長いキスを終えて、離れがたい私は彼に抱き付いた。ずっと触れていたい。

結婚してから一週間が経ち、好きという気持ちを自覚して、伝えることも出来た。あとすることはひとつ。

『好きだからしたいと思えるようになったら言って』

好きになりました。でも……そう簡単に言えません。口に出せない代わりに、彼の首筋にキスをした。私なりの意思表示である。

そっと顔を上げると、微笑む幸樹さんと目が合う。


「抱いてもいい?」

「はい……。わっ! え、重いですよ」

「全然重くないよ。ほら、落ちないように手は首に回して」


突然横抱きにされて、戸惑った。手を首に回すとより密着する。彼は私の唇に軽くキスを落としてから、ベッドルームへと運んだ。

熱い瞳に見つめられて、ゆっくりと目を閉じる。濃いキスから始まる甘い夜に幸せを感じた。
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