願い婚~幸せであるように~
「私には会いたくないと? どうして、いつも拒む? 」
怒気を含んだ声に私の肩は震えた。幸樹さんが私の手を握るが、震えは止まらない。怖い、怖い……。早くこの人から離れたい。
「拒まれる理由はご自身がよくご存知なのではないでしょうか? 本当に失礼します。すみません、これ俺たちの分です。和花、行こう」
幸樹さんに抱きかかえられて、カフェを出た。頼んだコーヒーには私も幸樹さんも口をつけていない。飲む余裕などなかった。
彼はマンションのエレベーターに乗ると、私を抱き締めた。
「ごめん。カフェなんて行かないで、ちゃんと断ればよかった」
「ううん、幸樹さんは悪くない……」
幸樹さんは断ってくれていた。だけど、父がどうしても会わせてほしいと懇願したから、仕方なく外に出た。
嫌なら嫌だと私がハッキリと断るべきだった。もう過去に何があったか知るのも嫌になる。知ってもいいことはきっとない。
だから、母にやっぱり行かないと断りの電話を入れた。幸樹さんは私がそうしたいなら、知ることはやめようと言ってくれた。
なんの解決にもならないけど、今の私には無理だった。
「幸樹さん、私から離れないで」
彼にしがみついた。
怒気を含んだ声に私の肩は震えた。幸樹さんが私の手を握るが、震えは止まらない。怖い、怖い……。早くこの人から離れたい。
「拒まれる理由はご自身がよくご存知なのではないでしょうか? 本当に失礼します。すみません、これ俺たちの分です。和花、行こう」
幸樹さんに抱きかかえられて、カフェを出た。頼んだコーヒーには私も幸樹さんも口をつけていない。飲む余裕などなかった。
彼はマンションのエレベーターに乗ると、私を抱き締めた。
「ごめん。カフェなんて行かないで、ちゃんと断ればよかった」
「ううん、幸樹さんは悪くない……」
幸樹さんは断ってくれていた。だけど、父がどうしても会わせてほしいと懇願したから、仕方なく外に出た。
嫌なら嫌だと私がハッキリと断るべきだった。もう過去に何があったか知るのも嫌になる。知ってもいいことはきっとない。
だから、母にやっぱり行かないと断りの電話を入れた。幸樹さんは私がそうしたいなら、知ることはやめようと言ってくれた。
なんの解決にもならないけど、今の私には無理だった。
「幸樹さん、私から離れないで」
彼にしがみついた。