願い婚~幸せであるように~
問題なく行ける時間と場所だったから、すぐ了承した。会ったら、昔のことを思い出せるかもしれない。しかし、期待もあるけど、不安もあった。

住むマンションの最寄り駅に着き、近くのコンビニに入る。


「おっ、和花。今帰り?」

「うん。淳平(じゅんぺい)はもう帰ってたの?」

「ああ、牛乳なかったから買いに来ただけ。一緒に帰ろう」

「うん、ちょっと待ってね」


私は、一人暮らしをしている。今会った平原淳平は従兄で、同じマンションに住んでいる。

私の部屋は三階にあって、淳平の部屋は四階にある。高校生のときに東京の大学に進学したいと、母に相談したら、反対された。

母は一人暮らしをすることに一番心配して、反対した。そこで、ひとつ年上の淳平が助け舟を出してくれた。

『俺と同じマンションに住むようにしたらいい。俺がいつでも和花を見守るから』と。

母は淳平を信頼していたから、同じマンションに住むならと少々渋々ではあるが、承諾してくれた。

大学を卒業したら、別なところに引っ越しても良かったが、私も淳平も面倒くさがりな部分があって、ずっと同じところに住んでいる。

結婚したら、出ることになるねとお互い話しているが、お互い今のところ出る予定はない。
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