願い婚~幸せであるように~
土日にしっかりと体を休ませたようで、課長の顔色はよくなっていた。改めてコンペのことを謝られて、恐縮する。


「そうそう、水族館には行った?」

「行こうとしていたんですが、急用が出来て行けなくなってしまいました。でも、今度絶対行きます」

「これからはクリスマスバージョンのショーになるらしいよ。俺も子供にまた行こうとせがまれているから、近々また行くつもり」

「クリスマスシーズンになりますものね。クリスマス終わったら、すぐ年末ですし、1年早いですよね」


クリスマスも年末年始も幸樹さんと初めて過ごすイベントとなる。何をしようか、どこに行こうかと考えるとワクワクする。

楽しいことを考えるだけで、顔がにやけてしまう。


「いいねー、新婚さん」

「からかわないでくださいよー。課長もご家族といつも楽しくしていて、いいですね」

「楽しく過ごす秘訣ならいつでも教えるからね」

「わっ、頼もしいです! どうぞよろしくお願いします」


取引先までの歩く道で私たちは、仕事に関係のない話をして、盛り上がったが、ビルを前にして姿勢をよくした。

今日は新規取引の申し込みに来た。アポを取るのに1か月ほどかかってしまい、やっと直接話を聞いてもらえる機会を得た。
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