願い婚~幸せであるように~
先方の社員であるふたりの男性がが私たちの訪問に応じてくれた。当社がデザイン制作して携わった建築物の内装写真と当社が扱っているインテリア家具等のカタログを広げて、熱意を伝えた。

相づちを打ちながら話を聞いてくれて、質問もしてくれた。好反応に、期待が生まれる。新規の取引先になっていただきたい。


「では、後ほどこちらのほうで話し合って、連絡させていただきますね。平原さんにご連絡差し上げればよろしいですか?」

「はい。ぜひ私平原までよろしくお願いします。また些細なことでもいいので何か質問がございましたら、お気軽にお訊ねください。本日はお忙しい中、お時間をいただきましてありがとうございました」


課長と揃って丁寧に頭を下げた。最後まできちんとした姿を見せなくてはいけない。良い流れに持っていけたことに安心して、ビルのエントランスを出てから課長にお礼を伝える。


「ありがとうございます。課長がいてくれて、本当に心強かったです。私ひとりでは力不足でした」

「いやいや、平原さんひとりでも十分対処できたと思うよ。いい返事をもらえるのが楽しみだね」


課長はこのあとバスで別の取引先に向かう予定だから、ここで別れた。私は時間を確認してから、駅へと歩いた。
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