願い婚~幸せであるように~
「平原さん、鈍すぎないか? 幸樹くんから連絡があって、おめでとうと言ったら、分かるでしょ?」
榊社長に笑われ、課長にうんうんと微笑まれて、幸樹さんとおめでとうを脳内で繋ぎ合わせてみた。
その結果、ひとつの結論にたどり着く。
「あ、分かりました。マンションのコンペの……」
「そう。平原さんには、加藤さんから伝えるようになっているから、言わないでと口止めされたけど、ついね。いいことだから、いいよね?」
「えっ、口止めされていたのに、良いのですか?」
「いいのいいの。あ、そうだ。加藤さんから連絡来たら、初めて聞いたというリアクションしてね」
榊社長らしいと言えば、らしいけど、口が軽すぎませんか?
それにリアクションを求めるのもおかしいような。
少々呆れてしまうが、それよりも! やった! 勝ち取れた!
「信じられないですが、本当ですよね?」
「どうした? 実感がない?本当だよ。幸樹くんが嘘ついていなければね」
こんな重要なことを嘘つくはずかない。でも、決まったなら、真っ先に教えてほしかったな。
課長は良かったと何度も言ってから、出掛けて行った。榊社長も用事があるからと、課長のあとを追うように急いでミーティングルームを出る。
榊社長に笑われ、課長にうんうんと微笑まれて、幸樹さんとおめでとうを脳内で繋ぎ合わせてみた。
その結果、ひとつの結論にたどり着く。
「あ、分かりました。マンションのコンペの……」
「そう。平原さんには、加藤さんから伝えるようになっているから、言わないでと口止めされたけど、ついね。いいことだから、いいよね?」
「えっ、口止めされていたのに、良いのですか?」
「いいのいいの。あ、そうだ。加藤さんから連絡来たら、初めて聞いたというリアクションしてね」
榊社長らしいと言えば、らしいけど、口が軽すぎませんか?
それにリアクションを求めるのもおかしいような。
少々呆れてしまうが、それよりも! やった! 勝ち取れた!
「信じられないですが、本当ですよね?」
「どうした? 実感がない?本当だよ。幸樹くんが嘘ついていなければね」
こんな重要なことを嘘つくはずかない。でも、決まったなら、真っ先に教えてほしかったな。
課長は良かったと何度も言ってから、出掛けて行った。榊社長も用事があるからと、課長のあとを追うように急いでミーティングルームを出る。