願い婚~幸せであるように~
「美味しそう」と目を輝かせて、フォークを持つ。


「和花は表情豊かだよね」

「単純で分かりやすいってこと?」

「ううん、素直でかわいいってこと」

「かわいい……かな?」


こんなところでかわいいと言われたら、照れてしまう。優しく見つめる瞳にも恥ずかしくなり、再び輝く夜景に目を向けた。


「うん、そんなふうに赤くなるところもかわいい」


彼はさらに私の顔を熱くさせることを言う。


「幸樹さんはいつも私をドキドキさせる……」

「えっ?」

「何をするのにもスマートでかっこいいし、意外な一面にもドキッとさせられるもの」


照れ隠しにちょっと口を尖らせながら、珍しく唖然とする幸樹さんを見る。彼はフッと口元を緩めた。

そんな顔もかっこいい。見たことのない表情がきっとまだまだある。これからふたりで時を重ねて、たくさんの幸樹さんを知りたい。


「やばいな。和花から何を言われてもかわいくて、たまらない」

「もう! またそんなことを簡単に言う。だから、困るのに……」


恥ずかしすぎて、困る。とりあえず、これを食べよう。このまま話していると、また恥ずかしいことを言われそうだ。
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