願い婚~幸せであるように~
「ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。担当は平原ですが、どんな難題でもおっしゃってください。やる気だけは、ひと一倍ありますので」

「ちょっと、課長ー。やる気だけではないですよ。ちゃんとそれなりにやっているじゃないですか」

「はは、そうだね。うちの優秀な社員ですので、どんなことでも立派にやり遂げます。安心してお任せください」

「もちろんです。プレゼンも丁寧ながらも力強くて頼もしかったです。中野課長がいらっしゃらなくても、平原さんがいれば十分なくらいでしたねー」


課長が私を褒めているのか貶しているのか分からない発言をしたから反論すると、加藤さんが加勢してくれた。

しかし、加藤さんは私を褒めながら、課長をやんわりと否定した。それにたいして、幸樹さんが笑う。


「加藤もなかなかひどいことを言うね。すみません、不躾なヤツで。でも、和花の頑張りとセンスの良さは常日頃から理解しているので、一緒にやっていけることが本当にうれしいです」

「それは、部長の愛しい奥様だから余計にうれしいんでしょう。ねー、中野課長、さらりと惚気られましたよー」


加藤さんはまたまた不躾なことを言い、幸樹さんに「いちいちひと言多い」と咎められる。
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