願い婚~幸せであるように~
「うん。家族と変わらずあの家に住んでいるわ」

「あの家?」

「うん。和花ちゃんも何回か来てくれたことあるのよ。うちに来て、思い出してくれたらうれしいから、ぜひ来てね」

「アルバムを見せてくれるのはうれしいけど、お邪魔しても大丈夫?」

「うん、気軽に来て。その日、兄の誕生日パーティーやるから、一緒に祝ってくれない?」


兄の誕生日パーティー?

兄って、もしかして……。


「お兄さんって……」

「昨日、兄も和花ちゃんと会ったよね?」

「うん。やっぱり茅島部長のこと……え、でも! 茅島部長の誕生日パーティーなんて、私が行ってはダメでしょ?」


すみれちゃんは簡単に祝ってあげてと言ったが、簡単にお祝い出来る相手ではない。だって、カヤシマ不動産の社長の息子さんの誕生日といったら、それなりのパーティーのはず。

そんな華やかな場に私みたいのはおそれ多くて参加できない。絶対に場違いだ。


「ダメじゃないわよ。和花ちゃんが来てくれたら、絶対兄は喜ぶと思うから。それにパーティーといってもね、兄は派手なことは嫌いだから家族だけでやるものすごく小規模のものなのよ」


私の心配することを察してくれたのか、すみれちゃんが説明してくれた。小規模のものならば……と思うが、絶対喜ぶとはどんな根拠からなのかと首を傾げてしまう。
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