願い婚~幸せであるように~
幼い時に離れてしまった私たちが結婚出来たのも奇跡ではあるが、一緒に同じプロジェクトに関われるのも奇跡だ。

公私混同させてしまう部分もあるが、幸樹さんと同じ案件に関われるのが単純にうれしい。


「幸樹くんに提出する前に、幸樹くんのことをよく知る平原さんに見てもらおうと思ってね」

私よりも社長の方がよく知っているとは思うけど、言われて悪い気分にはならない。

「幸樹さんと何度か話はしていますが、本当に全部イメージ通りです。あくまでも私の意見ではありますが、幸樹さんも気に入ってくれると思いますよ」


私の言葉に榊社長は安堵のため息を出し、そばをすすった。


「やっぱり平原さんに見せて良かった 。自信を持って、提出出来るよ。ありがとう」

「いえ、私はなにもしてません。真っ先にと見せていただけて、本当にうれしいです。幸樹さんと私のイメージを素敵に描いていただいたのですから」

「幸樹くんも気に入ってくれるといいな」

「大丈夫です。私が保証しますよ」


社長からしたら私なんて頼りにはならないが、幸樹さんのことに関しては胸を張れる。
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