願い婚~幸せであるように~
確かに私とすみれちゃんだ。もちろん自分は分かるけど、すみれちゃんも分かる。くりっとした可愛い目は今と変わらないし、なんといっても笑顔が今と同じ。


「本当に私たち、並んでいるのね」

「うん。この幼稚園でよく一緒に遊んだのよ」

「なんだか不思議な感じがするけど、仲良さそう」

「あ! それとね、和花ちゃんに絶対見てほしいのがあるの」


すみれちゃんはまたページをめくる。絶対見てほしいものは、このアルバムの中にあるようだ。

終わりのほうを開いた。そこには『大きくなったらなりたいもの』とテーマが書かれていて、卒園生の名前と夢が書かれていた。

将来の夢は小学校でも中学校でも卒業アルバムか卒業文集にも書いていた。

幼稚園でも書いていたんだ。この頃の私の夢は何だったのだろう?

見ると男の子も女の子もなんとか屋さんが一番多い。その中で『アイドル』が目立っていて、それはすみれちゃんの夢だった。


「すみれちゃんはアイドルになりたかったのね。すみれちゃんだったら、なれそうだけど、夢は変わった?」

「うん。アイドルの夢は小学校二年生くらいまでだったかな。でね、私のよりも和花ちゃんのよ。ほら、ここ!」


またここ!とすみれちゃんは指を差す。そこには『そのもとわか』の名前とともに……。
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