願い婚~幸せであるように~
今まで食べたどれよりもとは、大げさだ。謙遜してしまうが、美味しいと言ってもらえたのは素直にうれしい。
恥ずかしい気持ちを隠すように、タルトを急いで口に入れた。
秋らしく洋梨やシャインマスカットを含んでいるタルトは、フルーツ本来の甘さが際立っていて、さっぱりしているのに濃厚な部分もあって、贅沢な味わいとなっていた。
これこそ、今まで食べたどのタルトよりも美味しいといえる。
「うわー、美味しい!」
「このお店のタルト、美味しいでしょ? お兄ちゃんのお気に入りなのよ」
「うん、お気に入りになるの分かる。美味しすぎるもの」
私はパクパクと手を止めることなく、食べたのであっという間に終わってしまった。また食べたいから、今度このお店に行ってみようかな。
「そうそう、忘れていたわ。これ、圭子さんから誕生日に渡してと預かっていたのよ。プレゼントだって」
「なにこれ?」
「お見合い写真よ。全部に目を通して、会ってみたい人を最低でも三人は選んでって」
すみれちゃんのお母さんは、部長に紙袋を渡した。封筒らしきものが、中にいくつも入っているのが見えた。
お見合い……28才になった部長は結婚をそろそろと期待されているようだ。
恥ずかしい気持ちを隠すように、タルトを急いで口に入れた。
秋らしく洋梨やシャインマスカットを含んでいるタルトは、フルーツ本来の甘さが際立っていて、さっぱりしているのに濃厚な部分もあって、贅沢な味わいとなっていた。
これこそ、今まで食べたどのタルトよりも美味しいといえる。
「うわー、美味しい!」
「このお店のタルト、美味しいでしょ? お兄ちゃんのお気に入りなのよ」
「うん、お気に入りになるの分かる。美味しすぎるもの」
私はパクパクと手を止めることなく、食べたのであっという間に終わってしまった。また食べたいから、今度このお店に行ってみようかな。
「そうそう、忘れていたわ。これ、圭子さんから誕生日に渡してと預かっていたのよ。プレゼントだって」
「なにこれ?」
「お見合い写真よ。全部に目を通して、会ってみたい人を最低でも三人は選んでって」
すみれちゃんのお母さんは、部長に紙袋を渡した。封筒らしきものが、中にいくつも入っているのが見えた。
お見合い……28才になった部長は結婚をそろそろと期待されているようだ。