願い婚~幸せであるように~
次から次へと思いもよらないことを聞かされるが、必死でいろんな話を繋ぎ合わせる。

私の幼い頃の夢は、部長のおよめさんだった?

で、その部長が結婚しようと言ったから、私の夢が叶う?


「部長は私の夢を知っていました?」


「うん、もちろん。俺が大きくなったら、結婚しようと言ったからね。それで、和花ちゃんはあれを書いてくれた。子供の約束だったし、君がいなくなってしまったから、諦めていたけど、再会出来た。だから、約束通りに結婚しよう」


私はその約束を覚えていない。でも、嘘だと思えない。信じられる。この人は絶対嘘をつかない人だ。でも、でも……ここで了承していいことなの?

結婚は一生の問題だから、『はい』とすぐに返せない。

今、どう答えたらいいのかも分からない。


「あの……夢を叶えてくれるのは嬉しいんですけど、正直覚えていなくて……」

「うん、覚えていないだろうとは思っている」

「だから、結婚と言われてもピンとこないというか……気持ちがないのに結婚してもいいのかと……」

「今の和花ちゃんは、俺のことを知らない状態だよね?」
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