願い婚~幸せであるように~
結婚することは総務課の一部の人と、社長にしか知らせていなかった。社長には私からではなく、幸樹さんが伝えていたが。
ふたりはプライベートで仲良くしているらしく、幸樹さんが報告していて、社長からお祝いの言葉を言われた時にはなぜ知っているのかと驚いた。
私の報告に「おめでとう」と拍手が沸き起こった。社長から会社規定の祝い金だと、祝儀袋が渡される。
「ありがとうございます」
「うん。末永く、お幸せにね」
はにかんだ私はまだ拍手をしてくれる皆さんに向かって、ぺこぺこと何度も頭を下げた。
「いやー、ビックリしたよ。お相手はどんな人?」
「えっと、あの……」
朝礼後、週末に控えているプレゼンの打ち合わせに入ると同時に中野課長から業務と関係のない質問を向けられる。即答しない私に同席していた川中さんまでもが「聞きたい」と言う。
川中さんは二年先輩で、昨年結婚していて今年の夏に一児のパパとなった。
「三つ年上で優しい人です」
「そんなありきたりな情報じゃ、分からないな。いつから付き合っていて、どんな仕事をしている人?」
「えっと、一か月くらい前からで」
「ええっ! 一か月で結婚決めたの?」
「いえ、結婚を決めたのが一か月前です」
ふたりはプライベートで仲良くしているらしく、幸樹さんが報告していて、社長からお祝いの言葉を言われた時にはなぜ知っているのかと驚いた。
私の報告に「おめでとう」と拍手が沸き起こった。社長から会社規定の祝い金だと、祝儀袋が渡される。
「ありがとうございます」
「うん。末永く、お幸せにね」
はにかんだ私はまだ拍手をしてくれる皆さんに向かって、ぺこぺこと何度も頭を下げた。
「いやー、ビックリしたよ。お相手はどんな人?」
「えっと、あの……」
朝礼後、週末に控えているプレゼンの打ち合わせに入ると同時に中野課長から業務と関係のない質問を向けられる。即答しない私に同席していた川中さんまでもが「聞きたい」と言う。
川中さんは二年先輩で、昨年結婚していて今年の夏に一児のパパとなった。
「三つ年上で優しい人です」
「そんなありきたりな情報じゃ、分からないな。いつから付き合っていて、どんな仕事をしている人?」
「えっと、一か月くらい前からで」
「ええっ! 一か月で結婚決めたの?」
「いえ、結婚を決めたのが一か月前です」