願い婚~幸せであるように~
私の答えにふたりは驚きの顔を見合わせた。確かに付き合い始めたのが一か月前で結婚決めたのも一か月前だと聞かされたら、私でも驚く。
「よほど運命を感じたんだねー。で、お仕事は?」
しみじみと言いながらも、課長は質問を忘れていない。実は課長も川中さんも幸樹さんに会ったことがあるから、言いにくい。だけど、言わないといつまでたっても打合せに入れない。
「不動産会社に勤めています」
「不動産? もしかして、うちと取引のあるところ? どこ?」
「カヤシマ不動産の方です」
ここまで話してしまうと名前も言わなくてはならなくなる。私が知る人ならふたりも知っていておかしくない。案の定「誰?」と訊かれる。
「茅島幸樹さんです……」
「ええっ! 茅島部長?」
ふたりは仲良く大きい声を揃えた。驚かれると思ってはいたが、予想以上に驚いていた。
「すごいな。あの茅島部長を落とすとはね。何がきっかけだったの?」
「あの、すみません。質問は終わりにして、そろそろ打合せ始めましょうよ」
質問攻めになるのは勘弁していただきたい。話を切り替えるように伝えるとふたりもやっと資料に目を向けてくれた。
「よほど運命を感じたんだねー。で、お仕事は?」
しみじみと言いながらも、課長は質問を忘れていない。実は課長も川中さんも幸樹さんに会ったことがあるから、言いにくい。だけど、言わないといつまでたっても打合せに入れない。
「不動産会社に勤めています」
「不動産? もしかして、うちと取引のあるところ? どこ?」
「カヤシマ不動産の方です」
ここまで話してしまうと名前も言わなくてはならなくなる。私が知る人ならふたりも知っていておかしくない。案の定「誰?」と訊かれる。
「茅島幸樹さんです……」
「ええっ! 茅島部長?」
ふたりは仲良く大きい声を揃えた。驚かれると思ってはいたが、予想以上に驚いていた。
「すごいな。あの茅島部長を落とすとはね。何がきっかけだったの?」
「あの、すみません。質問は終わりにして、そろそろ打合せ始めましょうよ」
質問攻めになるのは勘弁していただきたい。話を切り替えるように伝えるとふたりもやっと資料に目を向けてくれた。