願い婚~幸せであるように~
私たちの後ろに並んだのは、幸樹さんの父親であるこのカヤシマ不動産の社長だった。顔を合わせるのは結婚式以来で、取引先の社員として挨拶するので大丈夫だろうかと妙な緊張をする。
茅島社長は腕時計で時間を確認してから、斜め後ろに立っていた40代の男性を見る。
「午後のスケジュールは?」
「はい、こちらのようになっております」
男性は素早くタブレットを取り出して、社長に見せた。秘書の方のようだ。社長はタブレットを軽く指で叩く。
「ここ、少し遅れても大丈夫かな? 」
「確認致します」
「うん、よろしく。あ、和花ちゃん。がんばってね」
真剣な表情で秘書の方と話をしているから、どのタイミングで離れたらいいのかと思っていたところ、こちらに顔を向けたので慌てて「ありがとうございます」と頭を下げた。
予定が多く入っていて、忙しそうだ。ちょうど二台のエレベーターが降りてきたので、社長とは別のエレベーターに私たち三人は乗り込んだ。
「茅島社長は、平原さんの旦那さんのお父さんなんだよね?」
「はい、そうです」
「なんか平原さんがすごい人に見えてきた」
「いえいえ、私はただの会社員ですから」
茅島社長は腕時計で時間を確認してから、斜め後ろに立っていた40代の男性を見る。
「午後のスケジュールは?」
「はい、こちらのようになっております」
男性は素早くタブレットを取り出して、社長に見せた。秘書の方のようだ。社長はタブレットを軽く指で叩く。
「ここ、少し遅れても大丈夫かな? 」
「確認致します」
「うん、よろしく。あ、和花ちゃん。がんばってね」
真剣な表情で秘書の方と話をしているから、どのタイミングで離れたらいいのかと思っていたところ、こちらに顔を向けたので慌てて「ありがとうございます」と頭を下げた。
予定が多く入っていて、忙しそうだ。ちょうど二台のエレベーターが降りてきたので、社長とは別のエレベーターに私たち三人は乗り込んだ。
「茅島社長は、平原さんの旦那さんのお父さんなんだよね?」
「はい、そうです」
「なんか平原さんがすごい人に見えてきた」
「いえいえ、私はただの会社員ですから」