願い婚~幸せであるように~
幸樹さんは逆に訊かれると思っていなかったらしく、一瞬表情が固まった。


「どうしてって……んー、気になったから」

「なんで気になりました?」

「なんでって、やっぱり俺の勝手なヤキモチなんだよね。和花が好きだから、和花の周りにいる男がつい気になって……。俺、鬱陶しいよね? ごめん……」


いつも堂々としている彼がシュンと肩を落とすから、私の心はキュンと締め付けられた。かわいく見えてしまう、このギャップに愛しさが増した。


「いえ、そんな鬱陶しいとは思っていません。妬くほど想っていてくれているのは、うれしいです。それと……」

「ん? それと、なに?」

「好きと初めて言われて、ドキドキしています」

「あれ? 俺好きって、言った?」


えっ?

まさか無意識で言ったの?


「あ……言ったかも。和花は、誘導させるのがうまいね」


幸樹さんは顎に手を当てて、恥ずかしそうに私を見た。


「いえ、誘導させたつもりはないですよ」

「いやいや、こっちが質問していたのに、いつの間にか逆になっていたし。しかもうまく気持ちを引き出された。まさか和花にそんなテクニックがあったとはね」


とんでもない感心をされてしまう。
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