願い婚~幸せであるように~
でも、一週間前よりも彼の気持ちがうれしくなっている。きっと私も同じ気持ちだからだ。

ん?

同じ気持ち?

それって、つまり私も幸樹さんが好きっこと?

彼にどんどん惹かれていっているのは、感じていた。結婚式のキスも惹かれていたから、全然嫌ではなく、うれしかった。

私の気持ちを考えてくれて、キスだけしかしなかった彼の優しさはうれしかったが、実は……ガッカリした。

もちろんかなり緊張していたけど、期待もしていた。惹かれているのではなく、完全に好きになっているの?

なにを自分で自分に問いかけているのか……。


「和花? どうした? なんか気難しい顔してるけど、突然どうしたの?」

「あ、私……私、私……いつの間にか、私……実は、えっと、あの」

「ちょっと、和花。落ち着いて。ほら、目を閉じて、息を大きく吸って、そっと吐いて」


幸樹さんは私の両肩を掴んで、何度も頷いた。言われたとおりに目を閉じて、大きく深呼吸を何度か繰り返す。

落ち着いてきたところで、目を開けた。幸樹さんはなにも言わず、穏やかな表情で私を見ていた。


「落ち着いた? 言いたいことがあるなら、ゆっくり話して。ちゃんと聞くから」

「はい。……私、幸樹さんが好きです」
< 99 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop