ママの手料理

仮面

だから翌朝、寝る直前に少しだけ予想していた通りの反応が起こった。


朝、航海の部屋から一緒に出てきた私達を運悪く見てしまった大也さんが、


「おはよう2人と、も……え、航海?航海?ちょっお前何したの、ねえ待って湊ー!紫苑ちゃんが航海の部屋から出てきたんだけどどうすればいいの!?ねえ、俺はどうすればいいの!?」


と、大声で叫びながら1階に降りてしまって。


誤解を解こうと急いで私達も階下に向かった所、


「お前はさっさと飯食えばいいんだよボケ」


「おはよう2人共。…なるほどねぇ、遂に航海も殺しじゃなくて恋に目覚めたのかな」


「ねえ一緒に寝たの?ねえそういう感じ?ねえね」


「うるせぇな飯食えよ…」


と、銀河さん、湊さん、大也さんの大声に出迎えられた。


「あー……おはようございます」


私がオムライスを食べている3人の迫力に負けてー特に大也さんがうるさくて銀河さんが怖くてー愛想笑いを浮かべていると、


「いやいやいや、恋だなんて違いますから。それに僕、殺しに目覚めた事なんてありませんよ何言ってるんですか首折りますよ?」


夜中に私と話した時とはまた違った笑みーサングラス越しでも分かる程目が笑っていないーを浮かべた航海が、何とも物騒な事を口にした。
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