ママの手料理
隠れんぼ
「よし皆、今から隠れんぼをしよう」
夕方。
家でくつろいでいた私達に、お父さんが突如そう提案してきた。
「隠れんぼー?」
「やりたいやりたい!」
「鬼は誰?僕は隠れたい!」
まだ幼い兄妹達は、笑顔で賛成している。
「鬼は、お母さんとお父さんだよ」
お父さんは、悪巧みをしている子供の様ににこりと笑って言葉を続けた。
「ルールは簡単。何があっても鬼に何を言われても、隠れた場所から出てこない事」
「そんなの当たり前だよ、隠れんぼなんだからー」
「鬼に見つからないようにするんだもん」
妹達がすかさず不満を漏らす。
「……ああ、そうだね」
お父さんは、にっこりと笑って妹の頭を撫でた。
そして。
「いいね皆、もう1回言うぞ。…何があっても、隠れた場所から出てきちゃ駄目だ。声も出しちゃ駄目だ。…君達は良い子だ、君達なら大丈夫だ。分かったね?」
それでも念を押すように、彼は真剣な声で同じ様な事を繰り返した。
その声に、若干の疑問を覚えながら私ー丸谷 紫苑(まるたに しおん)ーは頷いた。
(何回も言わなくても…。それに、今までの隠れんぼにはそんな細かいルールなかったよ…?)
「じゃあ、100数えるわね。……いーち………」
夕方。
家でくつろいでいた私達に、お父さんが突如そう提案してきた。
「隠れんぼー?」
「やりたいやりたい!」
「鬼は誰?僕は隠れたい!」
まだ幼い兄妹達は、笑顔で賛成している。
「鬼は、お母さんとお父さんだよ」
お父さんは、悪巧みをしている子供の様ににこりと笑って言葉を続けた。
「ルールは簡単。何があっても鬼に何を言われても、隠れた場所から出てこない事」
「そんなの当たり前だよ、隠れんぼなんだからー」
「鬼に見つからないようにするんだもん」
妹達がすかさず不満を漏らす。
「……ああ、そうだね」
お父さんは、にっこりと笑って妹の頭を撫でた。
そして。
「いいね皆、もう1回言うぞ。…何があっても、隠れた場所から出てきちゃ駄目だ。声も出しちゃ駄目だ。…君達は良い子だ、君達なら大丈夫だ。分かったね?」
それでも念を押すように、彼は真剣な声で同じ様な事を繰り返した。
その声に、若干の疑問を覚えながら私ー丸谷 紫苑(まるたに しおん)ーは頷いた。
(何回も言わなくても…。それに、今までの隠れんぼにはそんな細かいルールなかったよ…?)
「じゃあ、100数えるわね。……いーち………」