ママの手料理
1ミリだけ開いたドアの隙間から中を覗き見し、しみじみと呟く航海と、
「最高だぞ大也、それでこそ男の鑑、僕と血を分けた弟!」
ズビーッと鼻をすすりながら、感慨深げに叫ぶ壱さん…ではなく、仁さんが居た。
「静かにしろナルシスト、あいつらに聞こえたらどうするんだ」
そこに、うねる髪の毛から水を滴らせながら銀ちゃんが現れて。
数秒で状況を把握したらしい彼はなるほどな、と頷き、自身が使っていた濡れたタオルを涙を拭く用に仁さんに貸していた。
(こんなに騒々しくて、皆やってる事が子供みたいだけど)
隣でぎゃあぎゃあ騒いでいる仁さんと、室内で琥珀の右腕にしがみついて大泣きしている大也を交互に見た私は、胸に独りごちる。
(人一倍、“家族”としての想いは強いんだよね…)
私は、大也の一世一代の大告白の様子を見守っている間、航海に大也の片思いの相手を元から知っていたのか尋ねた。
すると返ってきた答えは、
『はい。大也さん分かりやすすぎですからね。鈍感な琥珀さん以外は気付いていたんじゃないですか?仁さんなんて、大也さんの恋が実るかどうかをいつも伊織さんに聞いていましたからね』
だった。
大也の事、驚かなかったの?
「最高だぞ大也、それでこそ男の鑑、僕と血を分けた弟!」
ズビーッと鼻をすすりながら、感慨深げに叫ぶ壱さん…ではなく、仁さんが居た。
「静かにしろナルシスト、あいつらに聞こえたらどうするんだ」
そこに、うねる髪の毛から水を滴らせながら銀ちゃんが現れて。
数秒で状況を把握したらしい彼はなるほどな、と頷き、自身が使っていた濡れたタオルを涙を拭く用に仁さんに貸していた。
(こんなに騒々しくて、皆やってる事が子供みたいだけど)
隣でぎゃあぎゃあ騒いでいる仁さんと、室内で琥珀の右腕にしがみついて大泣きしている大也を交互に見た私は、胸に独りごちる。
(人一倍、“家族”としての想いは強いんだよね…)
私は、大也の一世一代の大告白の様子を見守っている間、航海に大也の片思いの相手を元から知っていたのか尋ねた。
すると返ってきた答えは、
『はい。大也さん分かりやすすぎですからね。鈍感な琥珀さん以外は気付いていたんじゃないですか?仁さんなんて、大也さんの恋が実るかどうかをいつも伊織さんに聞いていましたからね』
だった。
大也の事、驚かなかったの?