ママの手料理
これから、彼らは私の復讐の為にOASISへ行く。


自宅待機とはいえ、私も皆に迷惑がかからないようにしなければ。


(帰ってきたmirageの事を、笑顔で迎えられるように)




そして。


「じゃあ、行ってくるね」


遂に、その時が訪れた。


混雑した玄関先で靴を履き、後ろを向いて家に残される私と伊織、そして笑美さんに手を振ってくれる皆。


「皆、私の為に本当に本当にありがとう…っ!絶対、全員で帰ってきてね!」


mirageという名のサンタさんに、私は頼んだ。


クリスマスは、家族全員で過ごしたいと。


「当たり前だろ、俺はmirageのユニバース、銀河様だ。お前の仇は俺が討ち、光の速さで帰還してやるよ」


「ごめんね紫苑ちゃん、この厨二病馬鹿は無視して。…俺らなら絶対大丈夫、この計画は成功するから。だから、安心して俺を信じて?」


銀ちゃんのいつものキャラ変に対しても、大也のいつものあの台詞にも、感謝の気持ちが止まらない。


「おい伊織、チビの事頼んだぞ」


右手をポケットに突っ込んだ琥珀のその台詞からも、家族としての信頼の感情が伝わってくる。


「もちろん」


「紫苑、君は今も狙われている身なんだ。警戒は怠らないようにね」


伊織の返答と重なる様に、湊さんが私の目を見ながらそう口を開いて。
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