ママの手料理
「俺の琥珀とこんなに長い時間一緒に居るなんてふざけんな!とっとと失せろ!」
と、遠くの方で大声を出す大也の声が聞こえ、航海と共にOASISの相手をしていた壱はやれやれと首を振った。
(闘いの場に要らねぇ情を持ち出しやがって…)
湊から貰った銃を取り出した俺は、催眠効果のある玉を躊躇せずOASISに向かってぶちかますと、
「オラオラオラァ、さっさとくたばれお前ら!俺らは先に対強力睡眠薬用の薬を飲んだから、いくら吸い込んでも効かねぇんだよカス!」
と、先程の大也に対抗するかのように大声で叫んだ。
此処に来る前、mirageと紫苑は壱の作ったタピオカミルクティーを飲んでいた。
そして、そのミルクティーには対強力睡眠薬用の薬が溶かされていた。
とは言っても、その薬は湊が作った睡眠薬にのみ効果を表し、他の睡眠薬には効果は出ない。
しかし、現在OASISは睡眠薬をmirageに向けて使ってはいない為、作戦としてはmirageの方が優位になっていた。
壱が少し口を閉じて目の前の敵に集中していると、後ろから、
「モノクロの世界が久しぶりすぎて、OASISさんが何を持っているのかすら認知できません。全く、気分は最悪です」