ママの手料理
気が動転していた私は、彼らの性別をすぐに特定出来ない程恐怖で怯えていたのだ。


(私、どうなるの…?)



すると。


「じゃあ引き上げるか」


「そうっすね、目的の人は殺れたわけだし」


「女、で良いんだよな、殺す奴」


「ああ。まあ他のやつも殺しちまったけどな」


「人を殺す時には余裕を持って殺せって言うじゃないっすかー」


「うるせぇな、お前ら足跡1つ残すなよ?‪警察にばれたら大変だからな」


男達の声が、どんどん遠くなっていく。


(あれ……?)


彼らの話の内容がよく分からず、私の頭の中でははてなマークが飛び交う。


(私、見つかってない)


果たして、安心していいものなのか。



そして、しばらくすると。


「おっ邪魔しましたー」


1番最初に“おっ邪魔しまーす”と言った人の声が聞こえ、ばらばらと複数の人の足音が聞こえ。


玄関のドアが閉まる音がして、私の家は静寂に包まれた。



(………)


この状況も、どうすればいいかも、急に家に侵入してきて弾丸のごとく消えたあの人達も、家族がどうなっているかも、何も分からなくて。


誰の息遣いも聞こえないこの空間が、ただただ怖くて。


(……怖い…)


そう思ったのもつかの間、私の意識はふっと途切れた。





真っ暗闇の静寂に包まれた中。



夜は、刻一刻と近づいてきていた。
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