ママの手料理
“誰なの”と思っておきながら、その答えは分かっていた。
月光に照らされたから分かる明るい色の服に、うつ伏せになっているから確認出来るポニーテール。
彼女は隠れんぼで確か畳まれた布団の下に潜っていた、まだ7才の私の妹。
「っ…、モモ、何やってるの……?」
いつの間にか暖房が消されて凍りついた部屋。
クローゼットからゆっくり足を下ろした私は、モモの身体に恐る恐る触れて。
「いやあっ!」
その氷の様な冷たさに、そこから言葉通り飛び上がって叫んだ。
私の裸足の足に床の固まった血がつき、モモに触れた手には彼女の顔や髪についた血がついた。
彼女は、死んでいた。
それでも、今の私にはそれを怖がったり泣いたりする余裕も無くて。
何故なら。
(…あれ、誰……?)
部屋の端、カーテンの横に座り込んでいる男の子の存在に気が付いたからだ。
「…ユウト?ユウトでしょ、…?」
私が何を言おうとも、誰からも返答が来ないこの空間。
それでも、私は星柄のパーカーを羽織った8才の弟の名を呼びながら、彼の方に近づいて行った。
月光に照らされたから分かる明るい色の服に、うつ伏せになっているから確認出来るポニーテール。
彼女は隠れんぼで確か畳まれた布団の下に潜っていた、まだ7才の私の妹。
「っ…、モモ、何やってるの……?」
いつの間にか暖房が消されて凍りついた部屋。
クローゼットからゆっくり足を下ろした私は、モモの身体に恐る恐る触れて。
「いやあっ!」
その氷の様な冷たさに、そこから言葉通り飛び上がって叫んだ。
私の裸足の足に床の固まった血がつき、モモに触れた手には彼女の顔や髪についた血がついた。
彼女は、死んでいた。
それでも、今の私にはそれを怖がったり泣いたりする余裕も無くて。
何故なら。
(…あれ、誰……?)
部屋の端、カーテンの横に座り込んでいる男の子の存在に気が付いたからだ。
「…ユウト?ユウトでしょ、…?」
私が何を言おうとも、誰からも返答が来ないこの空間。
それでも、私は星柄のパーカーを羽織った8才の弟の名を呼びながら、彼の方に近づいて行った。