キミに、愛と思いやりを
「母ちゃん!」
「母ちゃん!」
お母さんの病室に入ると、晴翔くんと来翔くんは真っ先に飛びついた。
「晴翔も来翔も来てくれたのね」
お母さん、嬉しそうだ。
まあ、そうだよね。だって、久しぶりに会えたんだから。
「翔太、2人を連れてきてくれたのね。ありがとう」
「こいつら、母ちゃんに会いたいって聞かなくて」
「ふふっ。……あら、そちらの可愛らしい女の子は?」
宇野くんのお母さんが不思議そうな顔をしながら、あたしに目をやった。
「俺と同じ中学だった、小園さんだよ。今、小園さんが晴翔と来翔に飯作ってあげてんの」
「あら、そうだったの!」
「はじめまして、宇野くんのお母さん。小園 花蓮といいます」
「花蓮お姉ちゃんのご飯、おいしいんだよ!」
「そう……。ありがとうございます」
深々とあたしに頭を下げる、お母さん。
「母ちゃん! 俺、今日また友達とサッカーやったんだよ!」
さすが、宇野くんの弟。
お兄ちゃんがサッカー部の部長ということで、この子達もサッカーが好きなんだね。