キミに、愛と思いやりを

「じゃ、また来るよ」



5分くらい話した後、宇野くんは晴翔くん達に帰るよう言った。



「あっ、翔太、花蓮さん。待って」



宇野くんのお母さんは、あたし達を引き止めた。


晴翔くんと来翔くんに、外で待っているように言ってから宇野くんのお母さんは話し始めた。



「翔太、ごめんね。母ちゃん、父ちゃんの分まで一生懸命頑張ってきたんだけど、まだもう少し退院はできないかもしれないの」



「母ちゃん、今は気にしないでよ。母ちゃんは本当に頑張ってたんだから。今は自分の身体を大事にしろって、きっと天国の父ちゃんも言ってるよ」



「そうね。天国の父ちゃんにも心配かけたくないけれど、晴翔や来翔、翔太の元気が母ちゃんの元気の素になっているの」



そう言って、弱々しく笑うお母さん。
今度は、その表情をあたしに向けた。



「それから、花蓮さん。晴翔と来翔のために、ご飯を作ってくれているだなんて。もう、なんとお礼を言えばいいか……」



「そんな、晴翔くんも来翔くんもちゃんと食べてくれて、あたしも本当に嬉しいです!」



「そう……。申し訳ないけれど、これからもうちの子達をよろしくね」



「はい!」



あたしは、とにかく役に立つことをしていきたい。




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