キミに、愛と思いやりを
歩と別れて、あたしは涙をぬぐいながら歩いた。拭っても拭っても、涙が溢れ続ける。
「花蓮! どうしたの?」
ぎょっとした顔で、麗羅はあたしを見た。
「れ、麗羅……」
あたしは、そのまま麗羅にすがりついて泣いた。
「何があったの? 花蓮がそんなに泣くなんて、珍しいね?」
麗羅は、すがりついたあたしの身体を受け止めて背中をさすりながら聞いた。
「麗羅……」
「話しやすいところからでいいからさ。あたし、力になりたいから。話して?」
あたしは、歩とあったことを全て麗羅に話した。
「そっかぁ……。仙谷くん、勘違いしちゃったんだねー」
「うん……」
「仙谷くんも分からず屋なところがあるんだなー! 彼女の話をちっとも聞かないとか」
麗羅はそう言って、プンプン怒り出した。
あたしのために、怒ってくれているんだ。
「しょうがないんだよ」
「でも花蓮、悔しいね」
あたしの髪をそっと撫でながら、麗羅は言った。
「うん……」
涙のせいで、声が出にくい。