キミに、愛と思いやりを
「とりあえず、仙谷くん、今の感じじゃ口で言っても聞いてくれないだろうからね……」
難しい顔になった麗羅。
「どうすればいいのか分かんないよ……」
麗羅は、腕を組んで考え込む。
そして、ポンと手を叩いた。
「なら、手紙で自分の本当の想いを伝えてみな!」
「本当の想い?」
あたしが聞き返すと、麗羅は大きく頷いた。
「そうだよ。花蓮は、仙谷くんのことが本当に好きなんでしょ? 仙谷くんを傷つけて悪かったって思ってるでしょ? 口で言うことが無理なら、手紙を書いて、その後に口頭で謝れば大丈夫だよ」
麗羅は自分のポケットからハンカチを取り出し、あたしの涙を優しく拭いてくれた。
「あんなに仙谷くんが嫌な目で見てきたってことは、よほど花蓮のことが好きってことかもよ。好きじゃない人に浮気されたら、あんな感じにならないよ」
さすが麗羅、とあたしは思った。相変わらず明るくて前向きで、プラス思考という長所は前から変わっていない。
「ありがとう、そうしてみるよ!」
あたしがお礼を言うと、麗羅はふわっと微笑んでくれた。
「どういたしまして。仙谷くん優しいからさ。浮気じゃないことを知ったら、きっと謝ってくれるよ」