キミに、愛と思いやりを

翌日。放課後になって、あたしは麗羅と一緒に部活に行った。



「あっ、小園さん!」



同じ部活の女子達が、あたしの元へいきなり走ってきた。



「ど、どしたの?」



「宇野くんの告白、断ったんでしょ? 噂になってるよ!」



「う、噂?」



「うん。一気に宇野くんに告られたのに全員振るなんて変だって。どうしてなの?」



そう言われても困る。親しくないというのに告白されて、すんなり受け入れる方が少ないとあたしは思う。



「それは、気にしなくていいよ」



「いやいや、噂になってるんだよ? 理由、教えてよ」



じゃあ、皆は親しくない人に告られたら受け入れるの。あたしは、そう聞こうとしたけれどやめておいた。こんなことで長話することになるなんて、絶対に嫌だった。




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