キミに、愛と思いやりを
「えっ……」
聞き終わった後、宇野くんは絶句した。
そして、あたしに深々と頭を下げる。
「ごめん、ほんっとうに俺の責任だ……」
「そんなっ……。宇野くんは悪くないよ!」
そう、よく考えたら歩に何も言わないで宇野くんの家に行って、感情に任せて勝手に夜ご飯を作ると全部決めたりしたあたしが悪いんだ。
宇野くんだって、好きでお母さんが入院してあんな大変な状況に陥ってるわけじゃない。
だから、あたしのせいでこんな問題が起きているんだ。
「手紙貸して!」
あたしは思わず、宇野くんの方へ手紙を差し出してしまった。
宇野くんは、素早くあたしから手紙を受け取る。
「俺、仙谷の家知ってる! 俺が責任持って、届ける!」
「宇野くん、責任だなんて……。何も悪くないのに……」
「小園さん、話を聞いてもらえなかったんだろ?」
思わず、あたしは黙って頷いた。
「この手紙……絶対に俺が読ませる!」
そう言って、宇野くんはどこかへ走り出した。