キミに、愛と思いやりを

歩side


「仙谷!」



家の中へ入ろうとすると、僕は誰かに呼び止められた。



「宇野?」



僕に姿を表してきたのは、宇野だった。だいぶ息切れをしている。


けれど、冷たい目が僕をしっかり見つめていた。



「お前……俺が思ってるより、だいぶひでぇ男だったんだな……」



淡々としているけれど、宇野が何かに対して怒っているのは確実だった。


けれど、僕は宇野に怒らせるようなことをしていない。
そもそも、卒業してから会っていない人をどうやって怒らせるというのだろう。



「なんの話?」



「小園さんのことだよ。小園さんに何したか忘れたのかよ」



「花蓮のことって……」



何したか、ってなんで僕が言われる立場なんだろう。




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