キミに、愛と思いやりを

「で、どうすんの?」



「何が?」



僕が首を傾げると、宇野は深いため息をついた。



「はぁ……どんくさ」



宇野は、もう一度僕の目をしっかりとみて、



「いつまでも1人でいるつもりなのか? それでこのまま、小園さんとは喧嘩別れみたいな感じで終わらせんの? 謝る気はないの?」



と言った。



「それは……」



確かに、本当に僕が悪かった。
本当に情けなかった。


花蓮に謝りたい。
けれど、僕は花蓮を傷つけた。


花蓮が今、どれぐらい傷ついているかわからない。
ただ、僕が思っているよりもずっとずっと、深い傷を心に負ったと思う。



「小園さん、お前の返事を待ってるよ」



まるで、今の僕の心の声が、宇野に聞こえたみたいだった。



「小園さんのことが好きなんだったら、
まだ彼氏でいるつもりなら、
突っ走って彼女のところに行く。
こんなこと、男だったらできるんじゃねぇの?」



宇野の言葉に僕は、ひどく胸を打たれた。



「ありがとう、宇野!」



僕は、来週の日曜日、あることを決めた。



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