キミに、愛と思いやりを
花蓮side
あたしは公園に行こうとした。
_____ピンポーン。
呼び鈴が鳴った。
……誰だろう。お父さんもお母さんもまだ仕事中だし。まあ、その人とすぐに用は済むだろうし、行ってみよ。
あたしは、家のドアを開けた。
「歩……!」
そこには、バツの悪そうな顔をしている彼_____歩が立っていた。
「ごめん。『言いたいこと』と、『したいこと』があったから」
言いたいことと、したいこと?
首を傾げるしかない。
本当に何を言っているのか、全然分からないよ。
「今、家に誰もいない?」
「うん……!」
「じゃあ、最初に『したいこと』をするね」
歩は、玄関に入りドアを閉めてあたしの方へ近く。
______ギュッ!
歩が、あたしの身体を抱きしめた。
「あゆ……む……」
「じゃあ、『あの公園』に行こうか」
「うん」
あたしは、足のそばにあったスニーカーを履いて歩と公園へ向かった。